2021年3月、私たちWELgeeは設立5周年を迎えます。
日本で学生生活を送る私たちが、「難民」とよばれる同年代の若者たちと出会うことからWELgeeは始まりました。彼らとともに語り、暮らし、働く中で、彼らの個性や、情熱を見出してきました。

「母国での人生を失い、国家すら取りこぼす難民たちが、未来を切り拓くリーダーになるためには?」

5年間の活動の結果、私たちは200名近くの難民申請者と出会い、150名以上に伴走をし、10名以上の企業での活躍を実現し、うち2名の難民申請中の不安定な在留資格(ビザ)を切り替えることができました。何よりも、難民の若者たちが、一方的な支援を受ける立場ではなく、日本のみならず世界の人たちに貢献する立場として活躍し出しています。

「WELgeeは家族」「自分はWELgeeのメンバーです」
難民の仲間たちの声です。

この壮大な仮説検証は、私たちだけでは到底成し得ませんでした。
私たちを支えてくださった全ての人々への感謝とともに。
次の5年間も、私たちは挑戦を続けます。

NPO法人WELgeeは、日本に逃れた難民とともに未来を築く団体です。 厳しい難民認定の日本で、一人ひとりがキャリアや、人生の目標を追求できる道筋を多様なセクターとの協働を通じて目指します。


日本社会と難民との共創価値を生み出すことによって

自らの境遇にかかわらず、ともに未来を築ける社会を作る

これまで、来日した難民申請者にとっての唯一の希望の道は、「滞在する許可を更新し続け難民認定を待つ」のみでした。しかしWELgeeでは、就労伴走事業を通じて彼らのキャリアを構築すると同時に、彼らが「難民」としてではなく、日本社会とともに新たな価値を作り出す「人材」として活躍する道筋を作ります。

多様な強みを持つ人材の存在は、日本企業におけるダイバーシティの推進に貢献をし、日本社会のイノベーション創出の力になります。

この未来は夢物語ではなく、実際に日本の中で起こりつつあります。

元医者・政治リーダーが、母国と日本の医療従事者とをつなぐNGOを設立

東アフリカの母国で政治団体のリーダー・医師として働いていたMさん。彼の夢は、アフリカの医療発展に携わること。WELgeeの伴走により、様々な医療従事者と出会う中で、アフリカの医療に貢献する方法として、公共衛生に関心をもつ。神奈川県の職員と出会い、私立の総合病院での勤務と同時に、公衆衛生を学べる社会人大学院に入学した。 現在、総合病院で出会った仲間とともに、アフリカと日本の医療従事者と繋ぐNGOを運営している。

元起業家兼英語教師が、アフリカ進出事業にて 日本と現地をつなぐブリッジ人材として活躍

政治的迫害が原因で日本に逃れたAさんは、教師経験があり、誰からも愛されるムードメーカー。WELgeeがAさんの就職に伴走する中で、アフリカ出身の人材を探しているヤマハ発動機に出会った。 同社が注力するアフリカ事業にて、現地パートナーと協業するにあたり、日本側でパイプとなれる人材のニーズがあると聞き、Aさんを紹介したところ、Aさんの人柄・経験が総合的に評価され、国費留学生を含む候補者の中から社員として抜擢された。 現在、アフリカでデリバリー事業を拡大する業務を担うAさん。業務提携先の企業でのオペレーション・マネージメントを行う希少なスタッフとして活躍している。

迫害等の恐怖があり、自国に守ってもらえず、故郷を離れざるを得なかった人々は、日本において、政府に難民として認めてもらうための申請を行います。彼らの長期的かつ安定的な在留を可能にする唯一の方法は、政府による難民認定ですが、長年にわたり難民認定者の割合は1%以下にとどまっています。WELgeeは、彼らが日本で法的安定性をもちつつキャリアや人生の目標を追求できるような道筋を模索しています。

『爆弾は降ってこない、でも人間として生きている心地がしない』
「もう日本にもいられない。毎日が辛すぎる。」

難民申請中のアフリカ大陸出身の20代の女性



困難な状況を作り出す3つの要因

不安定な法的地位
日本社会との断絶
母国の複雑な状況

難民申請者が日本に滞在できる法的根拠は、日本で難民申請をしていること。そのため、難民認定が降りなければ、在留資格を喪失や、就労許可の剥奪、収容といった恐怖が待ち受けています。日本において、難民申請者が長期的かつ安定的な在留を可能にする唯一の方法は、政府による難民認定ですが、長年にわたり認定率は1%以下にとどまっています。結果を受けるまでに何年もかかるため、将来の見通しのつかない日々が、彼らを苦しめます。

不安定な法的地位

難民申請者が日本に滞在できる法的根拠は、日本で難民申請をしていること。そのため、難民認定が降りなければ、在留資格を喪失や、就労許可の剥奪、収容といった恐怖が待ち受けています。日本において、難民申請者が長期的かつ安定的な在留を可能にする唯一の方法は、政府による難民認定ですが、長年にわたり認定率は1%以下にとどまっています。結果を受けるまでに何年もかかるため、将来の見通しのつかない日々が、彼らを苦しめます。

日本社会との断絶
母国の複雑な状況

難民=ユニークな 人材の宝庫である

WELgeeでは、これまで185名の難民申請者の方々と対話を行ってきました。
その中で気づいたのは、彼らの多くが多様な職種で活躍しており、困難な環境の中でも、想いを形にしてきた経験があるということ。紛争・迫害になる前は、当たり前の日常を母国で送っていた人たちで、アフリカや中東から飛行機で逃れてくる彼らは、もともと経済資本・社会資本に富んだ人たちでもあります。これほど優秀で、情熱のある人々の可能性を、潰してしまうのはあまりにももったいない。

難民申請中の閉塞的な状況を変え、個々の難民の可能性を生かすために、 WELgeeでは様々な仮説検証を行ってきました。

01

難民ホームスティ

2016.10 - 2017.12

多くの難民たちが、日本社会とつながるきっかけがなく、孤立し、孤独を感じていることに気づき、人として出会っていく場所をつくろうと「難民ホームステイ」に取り組んだ。

more

02

Live WITH(ともに暮らす)事業

2017.12 - 2019.12

ともに暮らす(Live WITH)事業では、日本での足場のない難民申請者に対して、第二の家族、第二の故郷と呼べる居場所をつくり直せないか?という仮説のもと、来日直後の難民向けの緊急シェルター、第二の故郷と呼べる場所「千葉ハウス」、そして自分らしく「働く」の最初の一歩をつくるシェアハウス「TOKIWA」の運営を行った。

more


ビジョンを実現するための戦略転換

WELgee が目指すオルタナティブ・パス

WELgeeでは、難民申請者が不安定な法的地位ではなく、安定して暮らせる在留資格さえ取得できれば、人生を再構築し、未来を築けるようになるのではないかという仮説を持っていました。
「彼らの唯一の希望は、難民認定しかないのか?」

WELgeeではこの問いのもと、就労を通じて難民申請に係る在留資格から専門的・技術的分野の在留資格に変更するという仮説を、行政書士・企業関係者とともに検証してきました。
結果的に、2019年10月と2020年12月に、これまで実質不可能とされていた難民認定申請者の在留資格変更を成功させました。

WELgeeの最注力事業

JobCopassは、日本に逃れた難民の育成・採用・定着の一貫した伴走を行い、それぞれの能力と経験を活かしつつ、企業のダイバーシティ・グローバル化の推進に貢献する人材紹介サービスです。難民人材の社会での活躍のみならず、法的地位の安定化を可能にすることで、政府による難民認定のみに頼らない、企業の連携による「オルタナティブパス」を実現します。

サービス利用実績

難民の方と企業人が違いを乗り越えて、価値を生み出すことを成功させるには、私たち自身が、その人を理解し信頼して推薦することが必要なため、難民の方と出会ってからマッチングまでは約1年はかかります。そんな中でも、上場企業の新規事業開発から、スタートアップのプログラマー、総合病院の専門職まで幅広い分野での社員雇用を10件生み出すことができました。


社員

10

社員
インターンシップ

4

アルバイト

2

2017.09 - 2021.1

中部アフリカのプログラマーがIT系中堅企業の開発チームに就職

西アフリカ出身の青年が、創業140年の老舗印刷企業に就職

西アフリカの青年が大手バイクメーカー新規事業開発部のアフリカ事業チームに参画

西アジアの青年がゼロからプログラミング技術を習得し、IT系スタートアップに就職。

「誰一人取り残さない」土壌を耕す

企業研修事業

WELgeeの企業研修は、難民の背景を持ち、 これまで様々な逆境をはねのけてきた「アンバサダー(難民講師)」との交流・対話を通し、「自らの手で未来を切り拓く力」を向上させるリーダーシップ育成プログラムです。異なる背景を持つアンバサダーと対話し、とともに創るワークを通じて、日本企業の異文化理解・ダイバーシティ&インクルージョンを推進します。



サービス利用実績


製造企業からコンサルティグ企業などの50社以上に対し、「アンバサダー」との交流機会を提供してきました。また、研修や講演を通じて、2,000人以上のビジネスパーソンに対して、難民人材の活躍可能性をお伝えしてきました。企業のダイバーシティ&インクルージョンを促進する「誰もが意欲とスキルを発揮する日本の企業の可能性」や、個々のセルフ・リーダーシップを身につけるための実践型リーダーシップ研修など、「誰一人取り残さない」土壌を耕すための研修を実施しました。

コミュニケーションを、
諦めない

創業当時から、団体として貫く姿勢。それは『コミュニケーションを諦めない』こと。

国籍、文化、背景、立場、言語、価値観が異なることで、意見がぶつかることもあります。それでも私たちはコミュニケーションを諦めません。「伝える」と「伝わる」は異なるもの。遠慮し思いやった結果、コミュニケーションを取らずに相手を傷つけないよう、率直に伝える姿勢が推奨されます。不器用でも大丈夫。大事なのは伝えようとする姿勢です。


  • アフリカ・中東出身の難民の方々は、日本でほとんど身寄りがない方々が多く、言語も文化も母国と全く異なる環境下で、人間関係をゼロから築く必要があります。また、難民の人材の中には、逆境を乗り越えた経験や異文化間の協働といった特筆すべき経験をもち、かつ高等教育を受けている方々も少なくありませんが、日本語能力や日本におけるキャリア形成の知識がほとんどないため、それだけの能力を持ち合わせていながら、不安定な短期の仕事や簡単なライン作業に従事している方も少なくありません。 WELgeeでは経験豊富なキャリアコーディネーターが、一人ひとりの難民の人材と時間をかけて信頼関係を構築します。WELgeeの様々なプログラムを通じて、人柄や経験、コミュニケーションスキルを見極め、人材との深い人間関係を築いた上で企業へと紹介をします。

    アフリカ・中東出身の難民の方々は、日本でほとんど身寄りがない方々が多く、言語も文化も母国と全く異なる環境下で、人間関係をゼロから築く必要があります。また、難民の人材の中には、逆境を乗り越えた経験や異文化間の協働といった特筆すべき経験をもち、かつ高等教育を受けている方々も少なくありませんが、日本語能力や日本におけるキャリア形成の知識がほとんどないため、それだけの能力を持ち合わせていながら、不安定な短期の仕事や簡単なライン作業に従事している方も少なくありません。 WELgeeでは経験豊富なキャリアコーディネーターが、一人ひとりの難民の人材と時間をかけて信頼関係を構築します。WELgeeの様々なプログラムを通じて、人柄や経験、コミュニケーションスキルを見極め、人材との深い人間関係を築いた上で企業へと紹介をします。

応援者の声

鵜尾 雅隆 さん

認定特定非営利活動法人 日本ファンドレイジング協会代表理事

世界が「連帯と分断」のはざまの中をさまよっているような時代が来ています。その中で最も大切な、「一番近くにいて、一番遠くに感じてしまう人たち」をWELgeeのみんなは光速で私たちに近づけてくれます。現代の多様性と共感の「ワープ」マシーンがWELgeeなんだと思っています。ひとりひとりの応援者を応援者のままにしないで、エバンジェリストにするような、次の5年のWELgeeにも期待しています!

三輪 開人 さん

特例認定NPO法人 e-Education代表理事

「白か?黒か?」 難民をはじめとした社会課題を解決しようとすると、いつもこの問いにぶつかります。でも、答えが二者択一とは限りません。もっと多様な、カラフルな道があるはず。それを諦めない組織がWELgeeです。迷っても、遠回りしても、無限の可能性を信じて突き進んでいくWELgeeみんなの挑戦を、僕は心から応援しています。

寄付者になると

入会キットをお届け

WELgeeが年に一度発行している活動報告書と寄付者の方に向けた手紙をお届けいたします。

限定Facebookグループへのご招待

ここでしか知ることのできない難民の方とのエピソードをお伝えしたり、サポーター限定イベントなどを実施いたします。(準備中)。

最新の活動成果をお知らせ

毎月メールマガジンで、最新の活動の成果やオンエア予告、難民の方の活躍などをお届けします。

最後に . . .

収益の大幅減少、WELgeeの中核を担う職員の卒業、代表の産休…様々な危機が組織をより強くした。

2020年は非常に厳しい年になりました。

収益の柱であった企業研修・講演の収益が、コロナ禍の影響で前年度比85%減少し、さらに代表の産休や、WELgeeの中核を担ってきた職員の卒業、それらに伴う事業・組織の再編成など、非常に多くの課題を少ない人員で乗り越えなければならない過渡期でした。

一方で、これらの危機は私たちをより強くしました。 少ないリソースで、本当に必要なことに絞った活動を行う、個々の弱みを組織で補ってゆく。これらの危機は組織としてのWELgeeを一層強くしました。

私たちは、さらなる社会的なインパクトを拡大させるために、より一丸となって活動してゆきます。