News
2020/05/01

新型コロナウィルス拡大をうけて、わたしたちが行うこと

For asylum-seekers and English speaker click here

WELgeeファミリーのみなさまへ

世界187ヶ国、320万人が感染をし、そのうち23万人が死亡^1。世界各国で爆発的な感染の広まりをみせる新型コロナウィルスは、地球上に生きる私たちの生活に大きな影響を与えています。

私たちも、感染防止の観点から、2月下旬よりリモートワークを実施しています。いままで対面で行ってきた企業関係者や難民の方々との面談をオンラインで行なっています。また、5/1から6/30にかけて、窓口対応の一部を縮小することといたしました。

COVID-19の脅威に対して、医療関係者の方々は日夜救急患者の治療を行い、治療薬の開発に励んでいます。企業は新たな生産手段を開発し、危機を乗り越えようと努めています。メディア関係者の方々は、日々重要な最新情報を絶え間なく人々に届けています。

WELgeeは、どんな境遇に置かれた人であっても私たちとともに未来を築けるという信念、そして、このグローバルな混乱に立ち向かうために国を超えた連帯が生まれるという希望をもちながら、私たちの役割を全うします。

これからの社会・世界がどのように変化していくのかを完全に見通すことはできません。その意味で不十分だとは思いますが、私たちがどのような役割を担っていくべきと現状考えているかを、皆様にお伝えさせていただきます。

就労伴走事業

就労伴走事業部は、引き続きオンラインツールを活用し、「JobCopass」を継続し、ポストコロナの社会でより可能性を発揮する難民人材と日本企業のマッチングに努めます。

JobCopassに登録している難民認定申請者(以下、難民)の中にも、COVID-19の影響により失業した方や、雇用契約は続いていてもシフトを著しく減り困窮している方が少なくありません。

「勤務していた車部品の製造工場が、コロナの影響で受注数が減り、人員削減をせざるを得なくなって、自分を含めた”余剰人員”が解雇を宣告された。」(30代前半|中部アフリカ出身|男性)

「勤務先のレストランが休業することになってしばらく来なくていいと言われてしまったけど、休業手当の話は一切ないし、どうやって家賃を払えばいいのかわからない。」(30代前半|中部アフリカ出身|男性)

彼らは不安定な雇用で生計を立てながら、日本社会から孤立し 「選択肢なんてないんだ」 と自分自身の可能性を閉ざしてしまっています。

しかし、こうした方々の中には、母国で貿易事業を営んでいた経営者や、ビジネスコンサルタント、医療従事者、社会起業家などがいます。彼らは本来、COVID-19で激動する社会、困窮する人々に、自らの経験や能力、志を活かし、貢献することのできる若者たちです

事実、これまで「JobCopass」でマッチングをしてきた8名の中には、日系大手メーカーの一員として、アフリカで新たな物流サービスを創造する人材、また、復興中の母国で日本の若者とともに、将来の国の担い手となる子供に対し、エンジニア育成機関設立に着手する人材がいます。彼らは、国を越え、日本のビジネスセクターにおいて、これからの社会を形づくる取り組みを行っています。

就労伴走事業部は、人類が直面するこの危機的状況の中で、逆境を乗り越えてきた難民と、日本のビジネスセクターとが、ともに新たな時代を切り拓いていける選択肢を作ります。

Tech-Up事業

Tech-Up事業は、日本に逃れた難民の人々に対して、ゼロからプログラミングスキルを修得し、エンジニアとして働くチャンスを提供する取り組みです。

難民として日本に逃れてきた人たちの中には、ITがあまり普及していない地域出身の方もいます。しかし、だからこそ、自身が母国の発展を担うと決意し大学でITを専攻していた若者や、紛争で家族を失ったからこそ孤独な若者たちに寄り添うWEBプラットフォームを作りたいとエンジニアを志す難民の若者がいます。私たちは彼らの志に無限の可能性を見出しました。

そして、COVID-19の影響により、今までにもまして世界中でICTの重要度が増しています。私たちの仕事も娯楽もICTがなければ成り立ちません。しかし、難民として日本に逃れて来た人のなかには、ICTのあまり普及していない国出身の方も多くいます。母国に貢献したいという強い志をもつ彼らが、プログラミングを学びICT産業に関わることは、いまや必需品となったICTを「誰も取り残さない(no one left behind)」ものにしていくために有効な手段になると考えています。  

あるITベンチャーの提供するプログラミングのトレーニングを知識・経験ゼロの状態から受講した中東出身のRさんは、現在同社のフルスタックエンジニアとして、建設重機の遠隔操縦技術開発に携わっています。Tech-Upでは、引き続きプログラミングの習得を通じて、Rさんのような志を実現する人材を輩出することに全力を注いで行きます。

サロン事業

COVID-19の影響により、これまでの物理的に顔を合わせて行なっていた様々なイベントやミーティングなどがウェブ空間で行われるようになり、ウェブ空間は生活を営む上で欠かせない存在になりつつあります。

一方で、難民はそのウェブ空間から排除されやすい存在です。彼らは、貧窮のためにインターネット回線の契約やPCの購入をできないという経済的な困難と、不特定多数の人に自分の顔や名前などの個人情報を公開すると、自分や祖国にいる家族に危険が及ぶかもしれないという迫害などから逃れてきた難民特有の困難を抱えています。

WELgeeでは、2016年10月より毎月「対面」にて開催してきた WELgeeサロンをオンラインで開催することを模索しています。 難民の方々にどのようにオンラインでアクセスしてもらえるか、また、どのように彼らの安全・安心を確保するか、あらゆる要素を考慮しながら検討を進めています。

難民の方との密なコミュニケーション

WELgeeの活動の根幹には、難民の方々との密なコミュニケーションがあります。COVID-19の広まりによって直接会うことは難しくなりましたが、この根幹は変わりません。

結びに : 私たちは、人類が逆境から道を切り拓く精神を信じています。

未だに効果的なワクチンは開発されておらず、根本的な解決までには非常に長い時間がかかります。人々の移動は大きく制限され、生活を支える経済的基盤も大きく揺らいでいます。

しかし、この逆境の最中で、かつて無い発想や連帯が生まれつつあることも事実です。今まさに人類が、この逆境から新しい道を切り拓く力が試されており、私たちも、今できる役割 ー 母国で逆境に立たされてきた難民の人々を巻き込み、新しい連帯を作ってゆくことを、全うしていきます。

私たちは、人類が逆境から道を切り拓く精神を信じています。

WELgeeスタッフ一同

^1: COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (URL: https://coronavirus.jhu.edu/map.html), 2020年5月1日7時34分更新.