ウクライナ出身の難民人材が中島董商店で採用決定!
NPO法人WELgee(東京都渋谷区・代表理事:安齋 耀太)は、日本での就労に向けて伴走したウクライナ出身の難民人材が、株式会社中島董商店(東京都渋谷区、代表取締役社長:中島 周)にて採用されたことを発表します。
株式会社中島董商店は食料品販売を主軸に、国内外に事業を展開する企業です。キユーピー・アヲハタのブランド創業会社であり、食品事業、ワイン事業、ホスピタリティー事業、アセット事業を展開しています。
今回採用されたIさんはウクライナ出身。ロシアによるウクライナ侵攻により日本への避難を余儀なくされた中、公益財団法人 パスウェイズ・ジャパン(Pathways Japan PJ)の支援をうけ、大学での教育を継続、来日後はアルバイトをしながら大学に通い、経営学や日本語を学んできました。今回の採用にあたっては、Iさんの熱心な仕事への姿勢や、明るく丁寧で常に周りに気遣いができる人柄など、将来的な活躍に向けてのポテンシャルが高く評価されました。
WELgeeとIさんが出会ったのは2024年8月。それ以来、履歴書のブラッシュアップや面接対策、自己分析や日本の労働市場に対する理解のサポートなど継続的に就職活動に伴走してきました。Iさんは2025年4月より中島董商店にてお試し雇用を開始。グループ会社の複数の部署にて幅広く食品ビジネスの現場を経験しました。その結果、現場からの高い評価と推薦を受けて、最終役員面接を経て、筆記試験・面接を経て、総合職として2025年7月1日からの入社が決定しました。今後は幅広い分野の業務を経験しながら、本人の希望や適正に応じて専門性を磨き、将来の会社を担う人材としての成長が期待されています。
弊社は社内寄付活動を通じて、難民のキャリア支援に取り組むWELgee様と出会い、人材紹介をお願いしました。当初は支援的な意味合いでの取り組みでしたが、実際にお会いした方々のスキルや意欲の高さに触れ、通常の採用と同じ視点で向き合うようになりました。
今回採用したIさんはウクライナ出身で、日本での就労経験はなかったものの、弓道を現地で学び続けていた背景から、日本文化への理解や節度ある所作が印象的でした。アルバイト期間中も、わからない日本語はその日のうちに学び、日々着実に成長。誠実さと自らを高め続ける姿勢に、私たちは強く心を動かされました。 今後も弊社は、多様なバックグラウンドを持つ人材が力を発揮し、ともに成長できる組織づくりを進めてまいります。
WELgeeと中島董商店様とのご縁がつながったのは1年以上前のことです。その間、中島董の皆様は「できるか・できないか」ではなく、「どうすれば受け入れられるか」という視点で、真摯に難民人材の受け入れについて検討を重ねてくださいました。そして今回、Iさんという素晴らしい若者を迎え入れてくださったことに、深く感謝しています。
今回の採用は、企業の人事戦略として多様性を推進しつつ、同時に社会課題の解決にも貢献するという、非常に意義ある事例となりました。
ロシアによるウクライナ侵攻から3年以上が経過し、2022年当時、留学という形で日本に避難してきたウクライナの若者たちは、3年間の留学期間を経て、今まさに、日本社会で自立して生きていく段階に入っています。彼らが一般の新卒学生と同じ土俵で就職活動を行うことは決して容易ではありません。
そのような中で実現したIさんの就職は、同様の境遇にある多くの若者にとって、大きな励ましとなるはずです。彼らには逆境を乗り越えてきたからこそ持ち得る視野や強さ、柔軟性といったポテンシャルがあります。WELgeeはこれからもこうした若者と未来志向の企業様との出会いを一件でも多く実現していくために引き続き尽力して参ります。