ことばを超えてあなたに届き、つながる想い
はじめまして。法人連携部でマネージャーをしている柏倉です。今回の記事では、私がフランスという異国の地で学んだことについてお伝えしていきます。
私は1988年から約30年近くフランスで暮らしてきました。
当時のフランスには、今ほど日本人もアジア人も多くいませんでした。私はしばしば珍しい存在として見られ、ときに白人優位の空気の中で差別を感じることもありました。自分がマイノリティであるという現実に、毎日のように直面していたのです。けれどもその体験は私に大きな学びも与えてくれました。
外国人(移民)として弱い立場に置かれたからこそ、他者の痛みに気づく感度が磨かれたのです。当初、役所で困っているとき、拙いフランス語に耳を傾けてくれた人。ほんの小さな優しさや手助けが、どれほど人を救うのかを、私は身をもって知りました。
言葉の壁を越えた先に見えてきたものもあります。大切なのは、相手のユーモアや文化を理解しようとする姿勢だと思いました。言葉の上手下手を超えて、人はあなたと関わりたいという心に動かされる。その実感が、私の人間関係を築く土台になっていったのです。
もちろん、言葉で伝えるのが一番簡単です。しかし、人と人との関わりには言葉以上のものが確かに存在することも実感しました。
視線や表情、ちょっとした仕草、あるいは沈黙の間合い。そうした非言語のコミュニケーションこそが、私を何度も救ってくれたのです。
フランス語が十分に話せなかった時期、私を理解しようとする相手の態度そのものが、言葉以上の安心を与えてくれました。人は言葉だけでつながるのではなく、伝えたい分かりたいという心でつながるのだと、そのとき学びました。
長い年月を経て、私は日本人である自分と、フランスで生きる自分の両方を抱えながら生きるようになりました。どこにいても完全に内側に属さず、同時に完全に外側でもない。その中間に立つ存在。それは時に孤独でしたが、同時に社会を多角的に見られる強さを与えてくれました。
だから私は、声を大にして伝えたいのです。
異文化の中で生きることは、決して楽ではありません。しかしそこにこそ、他者への理解、多様性を尊重する心、そして人と人とをつなぐ力が育まれます。
私がフランスで学んだ一番大きなこと。
それは、「違い」とは壁ではなく、可能性の入り口であるということです。
そしてこの視点こそ、今の日本社会に必要だと、私は強く感じています。
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共に生きる社会はどのようにつくることができるのか?
私がフランスで感じたように、「他者を思いやる心」が最初の一歩になるかもしれません。
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※ WELgeeの「難民」の考え方
難民が生じる背景や社会情勢が多様化・複雑化する中で、従来の難民の定義にとどまらない多くの人々が、祖国を追われる状態に置かれています。WELgeeは、在留資格問わず、命の危険があって現在母国に戻れない状態にある人を活動の対象としており、認定難民・補完的保護対象者・難民認定申請者・後発的難民(帰国困難な状態にある元留学生等)・緊急避難措置対象者(ミャンマー・スーダン等)などを含んでいます。うち、原則、現在あるいは近い将来において、就労許可がある方/就労許可取得予定のある方を就労伴走事業の対象としております。